バイオディーゼルと再生可能ディーゼル: 重要なのは政策です

バイオマスベースのディーゼル（BBD）燃料の消費は近年急速に増加しています。 バイオマス系ディーゼルには主に「FAMEバイオディーゼル」と「再生可能ディーゼル」の2種類があります。 歴史的に、FAME バイオディーゼル生産量は再生可能ディーゼル生産量を大幅に上回っていましたが、再生可能ディーゼル生産能力の構築ブームにより、近年変化し始めました。 米国における再生可能ディーゼル生産のブームは、穀物および油糧種子市場への影響について多くの疑問を引き起こしています。 私たちは、FAME バイオディーゼルと再生可能ディーゼルの生産プロセスと特性を比較した先週の記事 (farmdoc daily、2023 年 2 月 8 日) から再生可能ディーゼル ブームに関するシリーズを開始しました。 この記事では、バイオディーゼルと再生可能ディーゼルの生産を支援する上で政策が果たす重要な役割を検討します。

政策の役割を分析するために、再生可能燃料基準 (RFS) と RIN 価格設定に関するこれまでの多くの記事で何らかの形で使用されてきた BBD 市場の部分均衡経済モデルを使用します (例: farmdoc毎日、2017 年 4 月 5 日、2017 年 8 月 23 日)。 図 1 に示すモデルは、BBD 生産者の供給と、競争市場における卸売レベルでのディーゼル ブレンダーからの需要を表しています。 供給量は国内生産と輸入生産の合計を表すことに注意することが重要です。 供給曲線は、供給量が増加するにつれて BBD の限界費用が増加することを反映して、上向きの傾斜になっています。 消費者レベルの小売需要は、図 1 に示す卸売需要の単純な値上げ率によって暗黙的に表されます。これは、卸売価格の変更が小売レベルに完全に反映されることを意味します。

また、図 1 のモデルは、BBD 需要が超低硫黄ディーゼル (ULSD) 価格のレベルで完全に弾力的 (水平方向) であると仮定しています。 これは、BBD とディーゼルは完全な代替品 (BBD のより低いエネルギー価値を調整した後) であり、BBD はディーゼル市場の一部であり、BBD 価格の変動はディーゼル燃料の全体的な需要に影響を及ぼさないという仮定を反映しています。あらゆる「リバウンド」効果を含みます（例、Lewis、2016）。 これは、BBD 需要がプラスになるためには、BBD 価格が ULSD 価格と同じでなければならないことを意味します。 BBD 価格が ULSD 価格を上回る場合、BBD は要求されません。 このモデルは明らかに、FAME バイオディーゼルと再生可能ディーゼルの個々の供給と需要に影響を与える要因を単純化したものですが、BBD 市場の基本的な経済学を有用に表現していることが証明されています。

図 1 の BBD 市場の最も注目すべき特徴は、BBD の均衡市場数量 (Q*) がゼロであることです。 言い換えれば、価格と数量の正の象​​限では、供給曲線と需要曲線の交差はありません。 この異常な結果は、BBD の製造コストがほとんどの場合、ULSD の製造コストより大幅に高いという事実を反映しています。 これにより、BBD の価格は一般的に ULSD の価格を大幅に上回ります。 これは、政策インセンティブがなければBBDの​​正の均衡量が決して存在し得ないという意味ではないことに注意する必要があります。 たとえば、ディーゼル価格が非常に高く、BBD 原料価格 (大豆油など) が非常に低い場合に、これが発生する可能性があります。 図 1 に示されている均衡は、これが標準ではないことを前提としています。

BBD とディーゼル価格に関する過去の証拠を図 2 に示します。これは、2007 年 1 月 25 日から 2023 年 1 月 19 日までのシカゴでの FAME バイオディーゼルの週次卸売価格と ULSD のエネルギー調整価格を示しています。と ULSD 価格が近いため、バイオディーゼル価格が ULSD 価格を下回る週は 1 週間もありません。 通常、価格の差は 1 ガロンあたり 1 ～ 3 ドルですが、最近では 5 ドルにまで拡大しています。 平均すると、この期間のバイオディーゼル価格は ULSD 価格を 1 ガロンあたり 2.12 ドル上回ります。 この差は ULSD 価格の 110% であるため、バイオディーゼルは平均して ULSD の 2 倍以上高価です。 結論としては、何らかの政策インセンティブがなければ、BBD はほとんど、またはまったく生産されず、消費されないということです。